都市集中と地方分散

新型コロナウイルスの影響が暫く続くものと考えられますから、トランジション・タウン 九十九里町 学習会も当分の間はお休みすることになります。 そこでその間は、個人的なブログ「九十九里町手記」に今まで書いていたような内容のものを、こちらのページにアップすることにしました。

先ずは、私がトランジション・タウン 九十九里町に関わる切っ掛けになった「地元経済を創りなおす」(枝廣淳子著)のまえがきから、その一部を引用してご紹介したいと思います。

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 2017年9月5日、京都大学と日立製作所が重要なプレスリリースを発表しました。 少子高齢化や人口減少、産業構造の変化などが進む中で、どのように人々の暮らしや地域の持続可能性を保っていくことができるか? それを考えるためのシナリオ分析に、AI(人工知能)を活用した研究結果です。
 研究では、AIによるシミュレーションが描き出した2052年までの約2万通りの未来シナリオを分類した結果、「都市集中シナリオ」と「地方分散シナリオ」で傾向が大きく2つに分かれることがわかりました…
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同書では、この後2025年~2027年を分岐点として、その先「都市集中シナリオ」と「地方分散シナリオ」は交わることはないとしています。 私は、今回の新型コロナウイルスの影響で、「都市集中シナリオ」が抱える問題点のひとつが浮き彫りになったのではないかと思います。

例えば、都内の某医療機関に勤務する一人の医師は、このまま感染が拡大すれば、助けられるはずの命がそこにあるのに「助ける命を選択する医療」を行わざるを得なくなると、苦しい心の内を訴えています。

都市社会は、人間の英知を結集して作り上げたはずの人工的な環境ですが、今回のように気紛れな自然環境からの訪問者に対して、有効な手段を殆ど打つことができないという盲点を曝け出しました。

変わって、地域社会に暮らす人々が、このような都市社会に自らの生活の大部分を依存する形をこの先も取り続けるとしたら、「命を選択する〇〇」の選択肢から真っ先に外されるのは誰なのか、考えてみる時間も必要だと思います。

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